監査のいろは「税金調書‐別表4、5-1、5-2」

税金調書を作成するうえで、別表4、別表5-1、別表5-2という税務上の貸借対照表、損益計算書、法人税、住民税、事業税、租税公課の明細サマリー部分をどうやって見るかというのを知らない会計士は多いかと思います。だいたいこの3表と納税一覧表を照合して不整合がないことをチェックし、最終的に適切な申告書になっているかどうかの確認を行うことになります。

別表4は税務上の損益計算書、別表5-1は税務上の貸借対照表、別表5-2の税務上と会計上の未払法人税の増減明細(元帳)というようなイメージになるかと思います。あくまで、イメージです。別表4は会計上の利益をスタートにして、税務上の課税所得を算定するために金額の調整を行っている表になります。会計の目的は、適正な期間損益計算を行うことにあるため、税務に比べると一定のルールに基づいて、会社が独自に見積もり処理を行うことが求められています。

他方、税金計算の目的は、課税の公平にあるため、みんなが同じルールに基づいて、画一化された処理が求められ、会社の実態に応じて処理に幅を持たせるという見積もり処理を行うことは原則として認められていません。そのため、会計上では認められていなるけれども、税務上では認められていない会計処理を別表4で加算又は減算をすることにより取り消す処理が求められます。

これが別表4で処理する1つの大きな部分となります。税務と会計で単に計上する期間がズレているものについては「留保」、税務と会計で計上時期のズレではなく、永久にズレが発生するものについては「流出」ということになります。別表4の右のどこの欄に記載されるべきかのお話ですね。