お店の管理会計、経営分析、シミュレーション

お店の経営って難しいですよね。色々なデータがあると思うのですが、例えば飲食店の開業後3年の生存率は、2~3割とも言われています。とすると、開業した人の7割~8割くらいの方が、借金を残したままとお店を閉めざるを得ない状況に追い込まれているのかもしれません。もちろん、料理の味ですとか接客ですとか、そういった飲食店の本質的な部分が要因となって、廃業に追い込まれる方もいらっしゃると思いますが、実は、味は良い、接客も良い、、、なのに、何故か儲けが出ないという結果、廃業される方もいらっしゃると思います。私は、後者のような方のお店の経営を何とかして軌道に乗せるお手伝いをさせていただきたいと考えています!そのためには、お店の経営を数値面で経営分析することにより、何がダメで利益が出ないのか、利益を出すためにはどのような方策が考えられるのか等の助言をできればと思います。

特に、昨今の新型コロナの影響によって、お店を休まざるを得ない状況が継続する環境下においては、少なくとも家賃という固定費のみが発生し続けることになります。この場合、経営者の責によらない事由によって、資金繰りが大幅に悪化するなどの事象が発生することになります。今回の新型コロナのような事象は、本当に100年に1回とかのイレギュラーな事象ではありますが、自営業の店舗営業においては、このようなイレギュラーな事態も想定し、一定期間このような事態が生じても生き残れるような準備が必要な時代となっているのかもしれません。

とすると、一気に経営基盤を広げ、上場会社が行っているような多店舗経営まで持っていくか、正社員を雇わず、一人親方でこじんまりとやるかの2択になるような気がします。多店舗経営は、そんなに簡単にできるものではないので、個人経営の店舗経営がやはりリスクとしては小さいように思われます。管理会計的な視点でいうと、操業度が落ちたときに利益に対する影響を小さくするためには、固定費を圧縮する必要があります。

店舗経営における主な固定費としては、家賃、人件費が考えられると思います。家賃を小さくするためには、自分の所有物件を用いるか、少し場所の悪いところを借りる、狭いお店を借りるなどが考えられます。自分の所有物件を持つというのは誰でもできる手法ではないですが、例えば、郊外の格安物件を購入したり、再建築不可物件を購入するといった手法で、購入費用を大幅に抑えるということもできます。路面店は賃料が高いので地下や2階、3階を利用するというのも固定費を抑える方法となります。また、夜営業のお店で、昼間のみ間借りする方法や昼営業のお店で夜のみ間借りするという手法もリスクは小さくなります。人件費については、自分1人のお店であれば、実質的に固定費はゼロになりますし、アルバイトを少し使う程度であれば、アルバイトの人件費も変動費と考えることができます。人件費は、正社員の人件費のみが固定費となります。

このように、店舗経営においては、何らかの理由によって操業できない事態も想定をして、なるべく固定費を圧縮しておくという必要性を念頭においておく必要があるように思います。もちろん、オーナーの怪我や病気による長期入院なども操業できない事態としては考えられます。管理会計の知識を持っておくと売上がいくらになった時に赤字になるかなどのシミュレーションが可能となります。新型コロナのような不測の事態の経験を今後の経営方針に生かしていきたいところですが、ここまで重い状況だとそんなことを言っている以前に、まずは生き延びることを考えるしかないですよね。今回については、とにかく今を生き延びるために政府による救済が必要と思われます。

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