公認会計士による監査業務と監査法人

監査のいろは

公認会計士って何かな?監査法人ってなに???、監査ってなんだろう????という方が、おそらくこれらを知っている人よりもはるかに多いと思います。私自身も、監査って会計士の勉強を始めるまで、いやいや、監査法人に入ってしばらくするまでよくわかってませんでした。もちろん、試験に出まるので監査とは何か解答用紙に回答しなさいと言われれば、暗記している回答を書くことはできますが、理解を伴った回答はできなかったと思います。おそらく、監査法人がなにか、公認会計士って税理士とは違うのかなどをきちんとわかる人って当人たちくらいなのかもしれません。新聞の記事やネットの情報などを見ても、記者は実は会計士や監査ってどんな役割を果たし、何をしているのかっていうのを本質的な意味でわかっていないだろーなって思うことがよくあります。結構、著名な経済や経営の専門家であってもわかってないなーと、感想を持つこともあります。これって、わかっていない人がダメっていうよりは、会計士協会や会計士自身のアピールの問題も多分にあるんだろうなとも思います。

公認会計士は、法律で独占業務として定められた財務諸表の監査を行って、監査意見を付与する業務を行うことができる有資格者になります。試験的な回答でいうと、「他人の求めに応じて、報酬を得て、財務諸表の適否に関する意見を表明する職業的専門家」などとも言えます。「監査および会計の専門家である。 独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、経済の健全な発展に寄与することを使命としている。」などなどの表現があるようです。

そして、財務諸表監査とは何かというと、「公認会計士または監査法人財務諸表に対して行う会計監査」「企業が作成した財務諸表のチェックを行い、財務諸表が適切に作成されているかを確認すること」などなどの表現があるようです。

簡単にいうのは難しいですが、法律によって認められた独占業務である主に上場会社などの財務諸表(会社の業績や財務状態を表す決算書)の監査をすることを生業としている人が公認会計士であるということでしょうか。財務諸表の監査をやるうえで、会計、経理、税務等の知識が必要なので、それらの知識を生かして監査をやらずに周辺業務を専業で行う人もたくさんいます。監査を簡単に言い換えると、会社が経理をきちんとやっているかをチェックすることという意味になると思います。銀行から借り入れをするために、利益をかさ増ししたり、税金の払いを少なくするために利益を過少にするために本来費用ではないものを計上したりといったことが、実は世の中のそこかしこで行われているものなのです。人間って本質的には悪いんですかねー。

ちなみに、公認会計士は、税理士試験に合格することなく税理士登録を行うことができます。弁護士や国税OBの方なども同様です。個人的には、それぞれの得意分野が違うので、相互補完的に協力して税理士として成り立てば良いんだろうなと思います。公認会計士が無試験で税理士登録できるということは、当事者間では、デリケートな問題でもあるのですが、私的には税理士は税務が得意であり、会計士は会計が得意ですので、それぞれ知識を融通し合って仲良く仕事をできればいいのになと思うところであります。なにせ、税務と会計は非常に密接に関連し合っているのでどちらかができればいいというものでもないのです。

ちょっと話が脱線しました。。

ところで、監査法人って何でしょうか。公認会計士と監査法人って何が違うんでしょうか。監査法人は、公認会計士が共同して設立した法人になります。上場会社の監査は、公認会計士は単独で行えず、主に監査法人しか行えません。監査法人は、最低5人の公認会計士がいないと設立ができません。規模が一般的に大きな上場会社の監査を行うのに、会計士が一人ではちょっと無理でしょっというところでしょうか。また、監査法人がすべて上場会社の監査を行えるわけでもありません。上場会社等監査人登録制度(その後、登録上場会社等監査人)という法律によって定められた制度があり、登録を行った監査法人や公認会計士個人が共同で行う場合のみ上場会社の監査を行うことができます。

では、監査役、監査法人、内部監査室って同じ監査という名前が付くけど何が違うのか。。。この辺りも難しいですね。上場会社で見かける内部統制監査制度、J-SOXなどもなんだろーって感じがしますよね。

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